【騙されるな】投資では「手数料高い=良い商品」ではない

投資信託やETFにおいて
「手数料が高い=良い商品」
と思っている人がいますが、これは大きな間違いです。
投資商品ではなく、世の中にあふれている様々な商品においては
「価格の高い商品=質が良くて価値の高い商品」
であることは一般的な感覚ですよね。
(安くても良い商品や、高くても良くない商品もありますが)
しかし投資信託やETFなどは、良い商品は手数料が安いことがほとんどです。
良い結果を出していれば、手数料は高くなりそうなものですが、ありがたいことにそうはなりません。
投資信託やETFは投資家からお金を集めて、株や債券などを買っていきます。
この株や債券を買うという行為は、例えば100万円分買うのも1億円分買うのも、手間としては、ほとんど変わりません。
つまり、投資信託やETFが投資家から集められた資金額が小さくても大きくても、運用する経費(コスト)は大して変わらないということですね。
優良な投資信託・ETF
↓
投資家から人気
↓
多くの資金が流入
↓
手数料安くしても
運用側も利益出せる
↓
さらに多くの資金流入
↓
手数料↑
運用側利益↓
ごみ投資信託・ETF
↓
投資家から不人気
↓
資金が流入しない
↓
広告やCMにお金使って
宣伝する
↓
運用側の利益確保するために
手数料を高くする
↓
詐欺まがいに売りつける
優良な投資信託・ETFは実績などもあり、かつ手数料も安いために、どんどん投資家が購入して資金が流入します。
運用側の売り上げは
純資産額(投資家が購入した金額の合計) × 手数料率
ですから、たくさんの資金が流入して純資産額が大きくなれば、当然売り上げも大きくなります。
するとさらに手数料率を下げることもできるために、投資家はもっと購入しやすくなって純資産額はどんどん膨らみ、投資家も運用側もwin-winになれます。
つまり、スケールがものをいうビジネスということですね。
それに対して、ごみ投資信託・ETFは海外投資家・機関投資家・経験の長い個人投資家などからは見向きもされないため、大きな資金が流入しません。
このような商品は銀行や証券会社の窓口などで猛プッシュしたり、広告などをどんどん打って宣伝をして、投資のことをよくわかっていない投資初心者・シニア層などをターゲットにしてきます。
利益を確保するために、当然手数料は高いのですが、初心者やシニア層などは
「手数料が高い分、サービスも良くて、成果も高いだろう」
と間違った判断で買わされてしまうのです。
銀行や証券会社の窓口で勧められる投資信託やETFは、全てこのようなごみ商品だと思っていいです。
ただ単に手数料を得るために売りつけているにすぎません。
例えば、シニア層などから人気の「毎月分配型」などは典型的なごみ商品です。
絶対に買わないようにしましょう。
そして、銀行や証券会社の窓口で投資をするのは絶対に辞めましょう。
銀行や証券会社の窓口では、手数料の安い優良な投資信託・ETFは購入できません。
全てごみと言っていいようなラインナップです。
ネット証券なら手数料の安い優良な投資信託・ETFを購入できます。
もちろん純資産額が大きくなくても、優良で手数料の安い投資信託・ETFは存在しますが、そのような商品もネット証券でしか購入できません。
最後に、いくつかの銘柄の手数料と純資産を見てみましょう。
VOO | AGG | |
---|---|---|
種類 | 米国株式ETF | 米国債券ETF |
手数料(年) | 0.03% | 0.05% |
純資産 | 15.9兆円 | 7.9兆円 |
S&P500に連動する 鉄板の米国ETF | 米国投資適格債券への 分散投資をする 米国債券 |
(2020年時点)
eMAXIS Slim S&P500 | 財産3分法ファンド | |
---|---|---|
種類 | 日本株式投資信託 | 日本投資信託 |
手数料(年) | 0.0968% | 1.05% |
純資産 | 0.1兆円 | 0.36兆円 |
S&P500に連動する 投資信託の王道 | 株式・債券・不動産に 分散投資する日本で 人気のファンド 毎月分配型 |
(2020年時点)
VOO・AGGといった米国ETFの純資産額が日本のファンドと比べて桁違いなのが良くわかると思います。
日本人とアメリカ人の投資人口の違いもありますね。
日本のネット証券からも米国ETFは購入できるので、ぜひ選択肢に入れてはいかがでしょうか。
そして手数料の激安さがすごいですよね。
そもそも投資信託とETFでは構造上、ETFの方が手数料は安くなりやすいのです。
ただ手数料率(ETFだと経費率と呼びます)が激安でも、この純資産額があれば利益を出せるのでしょうね。
eMAXIS Slim S&P500は純資産がまだ1000億円程度しかありませんが、手数料0.1%を切っています。米国ETFに比べると若干高いですが、十分に安いレベルですね。
初心者にとってはETFより投資信託の方がハードルは低いので、eMAXIS Slim S&P500は初心者にとって主力になると思います。
これからも純資産額は伸びていくことが期待できます。
そして財産3分法ファンドです。
ごみ商品代表の毎月分配型です。
しかも手数料が1.05%と圧倒的に高い。
にもかかわらず、eMAXIS Slim S&P500の3倍以上の純資産額です。
残念ながら日本では非常に人気のファンドです。
はっきり言ってしまえば、海外の投資家や、ある程度以上知識のある日本の投資家などは誰も見向きもしないようなごみ商品ですね。
米国ETFに比べれば微々たる純資産額ではありますが、それでも4000億円近くこのファンドに投資されているのです。
このようなものは、合法的詐欺ともいえるようなものなので、絶対に買わないようにしましょう。