投資をする上で全世界への分散投資は必須ですが、その中でも世界の中で最も影響力を持つアメリカは切っても切り離せない存在です。
2020年時点で、全世界での株式市場の時価総額合計は46.2兆ドルですが、その中の25.5兆ドルをアメリカが占めています。
実に世界全体の約55%をアメリカが占めているということです。
すごいですね。
2位は3.5兆ドルで約7.6%の日本ですから、アメリカがどれだけ突出して大きな影響力を持っているかがよくわかります。

当然アメリカの景気動向は世界の景気に大きな影響を与えます。
仮に日本株を買ったとしても、アメリカの状況によって大きく日本も影響を受けますから投資をする以上、アメリカを無視することはまずできません。
また、アメリカはこれまでの長い歴史の中で世界経済を牽引しながら右肩上がりに成長してきました。
将来がどうなるかは誰にもわかりませんが、過去の歴史を振り返ることで学ぶことはできます。
個人的には今後もアメリカが成長することは信じるに値すると思っています。
日本とアメリカの過去60年間の経済の歴史を振り返ってみましょう。
<日経平均>
日経平均は東証一部上場の2000以上ある銘柄の中から代表的な225銘柄を対象に算出する日本を代表する株価指数です。
日本経済を表していると言える指数です。
日経平均の1960年から2019年の60年間のチャートは以下の通りです。

バブル期の1989年に最高値の約39000円をつけてから、これまで30年間その最高値を更新できていません。
特にバブル崩壊後の「失われた20年間」では日本経済は低迷を続けてきました。
ここ10年ほどは「アベノミクス」によって上昇相場になり、株価は回復してきていますが、実体経済についてはGDPなどを見ても、今後の展望を楽観視するのは難しい状況ではないかと思います。
正直ちょっと厳しいと思います・・・日本人としては残念なのですが・・・
2020年以降はコロナウィルスや2019年の消費税増税の影響などで、経済の先行きはまた暗くなりそうな状況です。
個人的には日本に住んで日本円で生活しているので、日本の市場にも投資はしています。
しかし日本の市場のみに投資したり、日本市場への投資の割合を大きくしてメインにするのはリスクが高いように考えています。
<S&P500>
S&P500はアメリカの代表的な500銘柄を基に算出されるアメリカを代表する株価指数です。
日経平均が日本経済を表していると言えるのと同様に、S&P500はアメリカ経済を表していると言える指数です。
S&P500の1960年から2019年の60年間のチャートは以下の通りです。

2002年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの暴落を経験しながらも、それでも回復を繰り返しながら見事に右肩上がりに推移してきており、年々最高値を更新している状態です。
本当に見事な右肩上がりです。
このチャートにはありませんが、2020年時点ではコロナウィルスや原油価格の暴落の影響から暴落をして、リセッション(景気後退)に入っています。
しかしこれまでのアメリカ経済を見る限り、個人的にはある程度の期間低迷しても、これまでと同様にアメリカ経済はまた成長してくると考えています。
ITバブル崩壊時やリーマンショック時に淡々と長期積立投資を継続してきた人たちは、その後非常に大きなリターンを得てきています。
アメリカ経済は十分に成長を期待し、賭ける価値のある対象だと思います。
<日経平均とS&P500の比較>
日経平均とS&P500の60年間の推移を比較してみます。
日経平均もS&P500も1960年を100として比較したものが以下のチャートになります。

高度経済成長期からバブル期にかけては日経平均が上回っていますが、その後はS&Pが逆転しており、差は広がる一方です。
もちろんこのまま日本経済が低迷するかもわかりませんし、アメリカ経済が成長し続ける保証もありません。
しかし、少なくとも世界で絶大な影響力を持ち、右肩上がりに成長を続けてきたアメリカは投資をする上で外すことはできません。
今後もアメリカが世界経済の中心に存在し続ける可能性は非常に高いと言っていいと思います。
やはりアメリカを中心としつつ、日本も含めた全世界へのインデックスファンドによる分散投資を長期的に積み立てていくことを主軸とすることが最適解だと思います。