高配当株投資ポイント②【配当性向】

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高配当株投資ポイント②【配当性向】

高配当株投資をする上で、多くの個人投資家が指標にしているものが「配当性向」です。

この「配当性向」は非常に重要な指標ですので、しっかり理解して必ずチェックするようにしましょう。

配当性向について、以下の流れで説明していきます。

配当性向とは

配当性向とは、利益のうち配当金として支払っている割合のことを言います。

計算式としては

配当性向 = ( 1株当たり配当金 / 1株当たり純利益 )

となります。

1株当たり純利益をEPSと言い、これも非常に重要な指標となります。

EPSが右肩上がりの企業と右肩下がりの企業では、どちらの方が将来性の高い企業かは明白ですね。


配当性向はこのEPSの中からどれだけ配当金として株主に還元しているのかを表す指標ですから、一般的には

  • 配当性向が高い:配当による株主還元率が高い
  • 配当性向が低い:配当による株主還元率が低い

ということが言えます。

配当性向の目安

配当狙いの投資をしている個人投資家が好ましいと考えている配当性向の水準は、「30%~40%」か「気にしない」が大半を占めているそうです。

個人的には70%くらいまでならあまり気にしていません。

それ以上になってきたときにも、「ちょっと注意が必要かな」といったくらいの感じで考えています。

ちなみに日本企業の配当性向も平均で30~40%になり、これは米国企業の平均も同様になります。

配当性向は高い方が良い?

配当性向は高い方が良いかというと、そんなことはありません。

逆に低い方が良いかというと、これもまたそんなことはありません。

配当性向がどのくらいが良いという正解があるわけではなく、それぞれの企業の状態によって変わってくるものです。

例えば、Amazonは無配で有名です。

配当金がないので、配当性向は0%ということです。

しかしこれは、株主還元の意識がないというわけではありません。

まだまだ事業の成長余地が大きいため、配当を出すよりも事業投資をして企業価値を増大させた方が株主に貢献できるのです。

逆に日本で言えばJTのようなタバコ事業などは、今後大きな成長は見込みにくいですよね。

このような成熟した企業は、事業投資するよりも配当金で株主に還元した方が効率的なので配当性向は高くなります。

配当金

自社株買いとは

企業が発行した株を自分で買い戻すことです。 買い戻すことで、発行株数は減ります。

すると1株当たりの価値は上がり、株価は上がる傾向にあります。 また1株当たりの配当金の増加も期待できます。

自社株買いも株主への還元方法の一つです。

このように配当金だけが株主還元ではありません。

事業投資はもちろん、自社株買いも株主還元になります。

しかし、内部留保は株主への還元になりません。

ですから配当性向だけでなく、自社株買いも含めた「総還元性向」までチェックした方が良いですね。

(※総還元性向は利益に対して、配当金と自社株買いの合計の割合です。)

日本も米国も平均の配当性向は30~40%とあまり変わりませんが、総還元性向になると日本企業の平均は米国企業の平均の半分以下になります。

配当性向だけ見ると、日本企業の株主還元意識が米国に追い付いてきたように見えますが、実際にはまだまだなわけです。

配当性向が高いことのリスク

配当性向が高いことのリスクも押さえておきましょう。

配当性向は高ければ高いほど、増配の余力が少なく減配の可能性があります。

仮に100%を超えてしまったら赤字ですよね。

100%を超えて配当を出している企業もあるのですが、当然長くは続きません。

逆に配当性向が低ければ、増配の余力があるということになります。

もちろん配当性向が低いからといって、必ず増配するわけではありません。 増配をするかどうかは企業の方針によります。

まとめ

配当性向は高配当株投資において、銘柄選定の一つの指標になります。

目安となる配当性向は30%~40%ですが、どの程度だと良いとか悪いとかはなく、企業の成長性や成熟性を考えなくてはなりません。

ただし、あまりに高い配当性向の場合は減配リスクもありますので注意が必要です。

また、配当金だけでなく自社株買いという株主還元も頭に入れておいてください。

様々な視点から分析して、自分の頭で考えて最終的な判断をすることが大切です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。