<ドルコスト平均法とは>
ドルコスト平均法は株式や投資信託などへの投資方法の一つで
「一定期間ごとに、一定金額で、同じ投資対象を購入していく投資方法」のことを言います。
一般的にリスクの軽減に用いられることが多く、投資初心者が資産形成をするのに適していると言われています。
「つみたてNISA」や「iDeCo」などの国がバックアップしているものでも、このドルコスト平均法が前提になっています。
株式にしても投資信託にしても、価格が高い時もあれば安い時もあります。
当然ですが、最も効率的な投資方法は、安い時に買って高い時には買わない(売る)という事です。
しかし残念ながらいつ安くていつ高いのかは事前には誰にもわかりませんし、予想して常に当て続けることは非常に困難です。
プロの投資家ならまだしも、投資初心者や仕事をしながら少ない時間を使って投資をしているような個人投資家には業績などを分析する時間も足りない可能性が高く、投資する上で時間をかけずに手軽にできるという事も大切です。
ドルコスト平均法は、価格の上下にかかわらず、タイミングを計らず定期的に購入していくので、高い時には少なくしか買えませんが、安い時には多く買うことができ、結果として購入単価を抑えることができます。
そして機械的に行うので手間も少なくて済みます。
~例1~

10回に分けて1回1万円ずつ、合計10万円をドルコスト平均法で購入した場合、購入口数は以下の通りです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | 合計 |
10口 | 9.09口 | 11.11口 | 8.33口 | 12.5口 | 9.09口 | 11.11口 | 9.09口 | 11.11口 | 10口 | 101.43口 |
10回目の時の価格は1000円なので
1000円×101.43口=101430円
となります。
1回目の時に一括で10万円分購入していたら100口なので
1000円×100口=100000円
となります。
ドルコスト平均法によってプラスになっていることがわかります。
~例2~

10回に分けて1回1万円ずつ、合計10万円をドルコスト平均法で購入した場合、購入口数は以下の通りです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | 合計 |
10口 | 9.09口 | 10口 | 11.11口 | 12.5口 | 11.11口 | 12.5口 | 14.28口 | 16.67口 | 14.28口 | 121.54口 |
10回目の時の価格は700円なので
700円×121.54口=85078円
となります。
1回目の時に一括で10万円分購入していたら100口なので
700円×100口=70000円
となります。
下降相場なのでどちらも元本を下回っていますが、ドルコスト平均法で購入した方がマイナスを小さくできているのがわかります。
価格変動のリスクを軽減することができています。
~例3~

10回に分けて1回1万円ずつ、合計10万円をドルコスト平均法で購入した場合、購入口数は以下の通りです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | 合計 |
10口 | 9.09口 | 8.33口 | 9.09口 | 8.33口 | 7.69口 | 8.33口 | 7.69口 | 7.14口 | 6.67口 | 82.36口 |
10回目の時の価格は1500円なので
1500円×82.36口=123540円
となります。
1回目の時に一括で10万円分購入していたら100口なので
1500円×100口=150000円
となります。
このように上昇相場の時はドルコスト平均法よりも、最初に一括で購入した方がリターンを大きくできていることがわかります。
<ドルコスト平均法のメリット>
例1~3を見てもわかるように、ドルコスト平均法は常にどんなときにもベストの選択肢ではありません。
あくまで投資方法の一つとして考えるべきものです。
ドルコスト平均法の最大のメリットは価格が下がったときにも買い続けることによって購入口数が多くなることです。
そのため下降相場でも投資を始めることができます。
下降している最中でも定期的に買い続けることによって割安に購入でき、口数を効率よく増やすことができます。
その後価格が上昇すれば、リターンは大きくなります。
そして最初に一括でまとまった資金がなくても、定期的に購入していくので、少額でも始めやすい特徴もあります。
そしてこの定期的に購入するというのがプロではない個人投資家には向いている方法です。
仕事をしながらその給料の中から少しずつ投資にまわすのは、始めやすく続けやすいと思います。
かつ一括で多くの資金を投資すると、相場の変動が気になって仕事が手につかないなんてことも個人投資家にはよくあります。
相場が気になってトイレから出てこないでスマホでチャートをずっと見てるなんてことがあるんです・・・本当に・・・
ドルコスト平均法で少しずつ資金を投入することで、下落相場の時にもメリットがあると思えるのは精神的にも安定しやすいです。
<ドルコスト平均法のデメリット>
例3を見てみると一目瞭然ですね。
上昇相場の時は一括購入の方が優れています。
上昇相場を狙って短期売買で利益を得る場合などは、ドルコスト平均法は不向きです。
<まとめ>
ドルコスト平均法を用いる場合は基本的に長期投資を前提にしています。
ずっと上昇相場のこともありませんし、ずっと下降相場のこともありません。
株価は上下しながら推移します。
そのためドルコスト平均法が有効になります。