高配当株投資ポイント③【連続増配年数】

配当金目的の投資をするときに、チェックしておきたい項目の一つに「連続増配年数」があります。
連続増配年数とは読んで字のごとくですね。
何年連続で増配してるかって
ことですねー
念のため・・・
- 増配:前期(前年)より配当金が増えること
- 減配:前期(前年)より配当金が増えること
- 無配:配当金がなくなること
日本の連続増配銘柄
日本の企業で連続増配年数トップは「花王」で、連続増配年数30年です。

花王以外で、連続増配年数20年以上の企業は5社あります。
(いずれも2020年時点)
20年や30年の連続増配は素晴らしいですが、次に説明する米国企業と比べると日本は連続増配企業がいかに少ないかがわかります。
基本的には
- 日本企業は株主還元の意識が低い
- 米国企業は株主還元の意識が高い
ということを覚えておいてください。
日本企業は景気が悪くなるとすぐに減配する傾向があるのです・・・
米国の連続増配銘柄
米国で連続増配年数トップは「アメリカン・ステイツ・ウォーター」という企業です。
その連続増配年数は、なんと65年です!!

米国には連続増配年数が
- 60年以上の企業が9社
- 30年以上の企業が86社
存在します。
(2020年時点)
日本企業は比べものにならないのがよくわかりますよね。
私たち日本人でも馴染みのある企業を挙げてみましょう。
企業名 | 連続増配年数 |
---|---|
P&G | 63 |
3M(スリーエム) | 62 |
コカ・コーラ | 58 |
ジョンソン&ジョンソン | 57 |
マクドナルド | 44 |
(2020年時点)
本当にすごい年数ですよね。
これらの連続増配銘柄は、2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの大暴落の時にも増配をひたすら続けてきたのです。
増配を続けているということは、業績が良い企業であることだけではなく株主還元に対する姿勢もよくわかりますね。
「連続増配銘柄=高配当銘柄」とは限らない
何十年も増配を続けているわけですから、かなりの高配当だと思う人も多いのですが、実際にはそうとも限りません。
「連続増配銘柄=高配当銘柄」とは限らないのです。
先程見た日本人に馴染みのある連続増配企業で見てみましょう。
企業名 | 連続増配年数 | 配当利回り |
---|---|---|
P&G | 63 | 2.19% |
3M(スリーエム) | 62 | 3.44% |
コカ・コーラ | 58 | 3.28% |
ジョンソン&ジョンソン | 57 | 2.73% |
マクドナルド | 44 | 2.25% |
(利回りは日々変動するので記事を書いた日の数字です。)
お世辞にも高配当とは言えない配当利回りですよね。
これらの連続増配企業は、長い間業績が安定していて好財務な企業だからこそ増配を続けられているのです。
いくら株主還元の意識が高くても、業績が悪ければ増配を続けることはできません。
つまり連続増配企業は
- ・安定した業績
- ・好財務
- ・株主還元の意識が高い
という素晴らしい企業なのです。
誰の目から見ても素晴らしい企業の株であれば、多くの人が欲しがりますよね。
多くの人が欲しがって買えば、株価は上がります。
配当利回り = ( 一株当たりの配当金額 / 株価 )
株価が上がれば、配当利回りは下がりますよね。
ですから連続増配企業の配当利回りは低い水準なのです。
連続増配銘柄は長期投資向き
では配当金目的の投資において、連続増配銘柄は買うべきではないかと言えばそうとも言えません。
確かに高配当株投資とは言えませんが、長期的には高配当株投資に近づく可能性もあります。
例えば、株価100ドルで配当金2ドルの連続増配銘柄があったとします。
10年後に株価は200ドルで配当金は増配を続けて4ドルになったとします。

配当利回りは現在と10年後と変わりませんが、現在100ドルで買った株で10年後には4ドルの配当金が貰えるということになります。
考えようによれば、配当利回り4%です。
つまり連続増配銘柄は買った時には配当利回りが低くても、時間の経過とともに配当利回りが上がっていくと考えられます。
このように考えると、長期的な配当目的の投資であれば非常に効果的だと考えられますよね。
そして連続増配銘柄はめったなことでは減配しないので、安定した配当金キャッシュフローを計算できるのも大きなメリットの一つです。
このような理由から、配当金目的の投資をする場合は連続増配年数もチェックしてみるといいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。